日本の岸田首相と韓国の尹大統領の首脳会談を伝える韓国・ソウルの駅のテレビ画面(2023年3月16日、写真:Lee Jae-Won/アフロ)

(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 韓国社会は熱くなりやすいという指摘を日本ではよく耳にする。実際に韓国人は納得できないこと、不本意なことがあると、すぐに怒りの声を上げる。

 そういえば韓国に移り住んだ頃、バスと乗用車が2車線にまたがって停車し、その脇で運転していた2人の男が大声で怒鳴り合っている光景を目にしたことがある。接触事故を起こしたのだ。道路は大渋滞である。

 何もそんな大声で喧嘩をしなくても警察を呼んで検証すれば済む話だろう。事故現場で罵(ののし)り合っても何の解決にもならない。外国人としては理解に苦しむ、違和感たっぷりの光景だったが、最近はそういう道路上の喧嘩はあまり見なくなった。

「国を売った」尹大統領の支持率が急落

 見なくなると逆になんだか物足りなさを感じてしまうものだが、そうした韓国はもちろんまだまだ健在である。徴用工問題の解決策と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の訪日に対する韓国社会の反応がそれだ。