植田新体制は日本の「基調的な物価」にどう反応するだろうか(写真:ロイター/アフロ)

(唐鎌 大輔:みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト)

日本のインフレ率は基調的な強さか?

 欧米のインフレ率の高止まりが注目される中、日本と欧米のインフレ率格差が縮小しつつある。

 約2年前(2021年初頭)からインフレ率の押し上げが見られた欧米に対し、日本のインフレ率が加速したのは約1年前。そうした差異もあって、2022年半ば以降にピークアウトの様相を強めている欧米のインフレ率に対し、日本のそれはまだ加速している(図表①)。

【図表①】


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 1月の消費者物価指数(CPI)は総合ベースで前年比+4.3%(以下、前年比で議論)と前月の+4.0%から加速し、生鮮食品除くコアベースでも+4.0%から+4.2%へとやはり加速している。

 なお、生鮮食品およびエネルギーを除くコアコアベースでは+3.2%と伸び率が低くなるものの、これも前月の+3.0%からは加速している。基調的に見た日本のインフレは現状のところ加速中である。