過去の大戦では、ロシアはより大きな欧州連合の一部でもあった。しかし今は、親クレムリンの戦略家、ドミトリー・トレーニンが最近の寄稿で指摘したように、「ロシア史上初めて、ロシアは西側に同盟国を一切持たない」。

 実際、反ロシアの連合は欧州にとどまらず、大きく広がっている。

 トレーニンは陰気そうに、次のように付け加える。

「米国を軸とした英語圏諸国と欧州、アジアの同盟国の結束度合いは、従来見られたことのないレベルに達した」

中国への危険な依存

 この新たな状況に置かれ、ロシアは友人を求めてアジアとアフリカに目を向けることになった。

 クレムリンは「グローバルサウス」の有力国――中国やインド、南アフリカ、インドネシアといった国々――がロシアを狙った国際制裁の努力に加わらなかったことに多少の慰めを見いだしている。

 だが、イランを例外として、こうした国はウクライナに流れ込む西側の兵器に匹敵するような軍事支援をロシアに提供していない。

 グローバルサウスへの依存は、過去30年間、主に欧州へのエネルギー輸出の上に築かれてきたロシア経済を再編することを意味する。

 また、ロシアは今、中国にも危険なほど依存している。

欧州への窓を閉めたプーチン

 プーチンはいかにして、自国をこんな苦境に陥らせたのか。

 問題の根っこは、プーチンが大国の地位の喪失を受け入れられなかったところにある。これは他の欧州諸国がすでに正面から向き合ったことだ。

(一部には、ブレグジットは英国人がまだその域に達していないことを示していると言う人もいるかもしれない。だが、自傷行為について言うなら、プーチンがロシアにやったこととは比べ物にならない。同等の破滅的行為に当たるのは、英国によるアイルランド侵攻だろう)

 プーチンが郷愁を抱きながら振り返る欧州秩序は、大国間の競争を軸として築かれていた。