1月9日、中国浙江省桐廬県の村で、新型コロナウイルス感染症が流行する中、病院で酸素療法を受ける77歳の女性(写真:ロイター/アフロ)

 新年早々、中国がまた「戦狼外交」(狼のように他国に対して吠える外交)をおっぱじめた。

 1月10日正午過ぎ、中国の官製メディアは一斉に、韓国の中国大使館が発表したと報じた。それは、以下のようなものだ。

<国内の指示に基づき、本日より、韓国の中国大使館と領事館は、韓国公民の中国訪問、商務、旅行、医療、トランジット及び一般の個人の事務の類の短期ビザの発給を、一時的に停止する。

 上述の措置は、韓国の中国への差別的入国制限措置を取り消すかどうかの状況により、再度調整する。

 駐韓国中国大使館 2023年1月10日>

外相同士で「中韓友好」を確認した翌日に「韓国人シャットアウト」を断行する中国

 要は、「今後当面の間、韓国人の入国お断り」ということだ。これは中国外交部やソウルの中国大使館のホームページではなく、WeChat(微信)の公式アカウントで発表したものだ。

 だが、前日の1月9日夜9時20分には、「秦剛外交部長(外相)が朴振韓国外交部長と電話で通話した」という中韓友好の発表を行っていた。これは、昨年12月30日、約10年務めた王毅外交部長に代わって、秦剛駐米大使が新たに外交部長に就いたことに伴う友好国への挨拶の電話だ。

<秦剛はこう述べた。中韓は引っ越すことのできない隣人であり、仲違いすることのできないパートナーである。中韓関係が健全、安定して発展することは、双方の共同利益に合致し、双方が継続して努力している大きな方向である。

 私は(朴振)外交部長とともに、良好な業務関係を築いていきたい。そして共同で、両国の国家元首の重要なコンセンサスを、うまく実行していきたい。足元をしっかり固め、長遠な着眼で、友好の大局を掴み、協力のパワーを凝縮し、中韓関係を安定して遠方まで推し進めていきたい。