(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年12月31日・23年1月1日付)

ほかのメディアや評論家諸氏と同様、本紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は2022年についての最大の予想を外した。
希望的観測かもしれないことを本紙も認めていたとはいえ、欧州エディターのベン・ホールは1年前、ウラジーミル・プーチンがウクライナを侵攻する合理的な理由はないと示唆していた。
悲しいかな、論理はロシア大統領の悲惨なギャンブルを阻む障害にならなかった。
本紙が1年前に戦争回避を望んでいたとするなら、トニー・バーバーは悲観的で、長続きする停戦が2023年に実現する公算は小さいと見ている。
加えてデビッド・シェパードは、総合的に考えると、ロシア政府がガスの輸出を絞るために欧州は停電に見舞われると予測している。
また懸念が強まっていることを考慮し、本紙は中国が台湾に侵攻するかどうかを「封鎖」の可能性も含めて今年も検討している。
本紙は昨年、上記も含め計5件の予測を外した。
グレート・レジグネーション(大離職)は終わらなかったし、米テスラの株価はイーロン・マスクのツィッターをめぐる冒険のせいもあって急落し、米国では民主党が上院で過半数を維持した。
少し厳しいかもしれないが、オミクロン型より感染力の強い新型コロナウイルスが登場するというクライブ・クックソンの予測も(確かに感染性のある亜変種は登場したが)外れと見なす。
昨年は多数の読者が本紙を上回る成績を収めた。
正解数の最高は18項目で、3人が達成したため、同点決勝によって総合優勝がカナダ・トロントのマイケル・グレーソンさんに決定した。お祝いを申し上げる。
今年もまた、下記の20項目および同点決勝の1項目についてFT読者からの予想を応募する。
(https://survey.ft.com/jfe/form/SV_0Iml4TtixcEPtxs)
多くの人が厳しい状況を強いられている昨今、よき新年となりますように。
By Neil Buckley