サッカーワールドカップの決勝トーナメント1回戦、オランダ対米国。右が米国のタイラー・アダムズ、左はオランダのダビー・クラーセン(写真:新華社/アフロ)

サッカーは民族対民族の力比べ

 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会の決勝トーナメント1回戦の日本対クロアチア戦が行われ、日本は前回準優勝のクロアチアに1-1からのPK戦で敗れた。

 8強という未知の領域に立ち入ることはできなかった。

 結果だけを見れば過去3度と変わらない。これまでとは違った自信と気概を持ってワールドカップ(W杯)を戦った。そしてドイツとスペインという欧州の優勝経験国を打ち負かした。

 米国という異郷に日本人として生きている筆者にとっては、サムライ・ジャパンの雄姿は民族としての限りない誇りを共有させてくれた。

 W杯は、確かに国旗の下に戦う国家同士の競技だが、それは民族の競い合いでもある。

(欧州勢には白人でない選手もかなりいたが、彼らもまた先祖から受け継いだ民族の誇りをもってプレーしていたに違いない)

 だが日本チームのメンバーをみても分かる通り、19選手が海外クラブに所属している。世界に羽ばたき、そこで鍛え上げた日本人の血が躍動した。

 それだからか、今回のチームには国際的な風格があった。これまでとは違った自信と気概を持ってW杯を取りに行った。

 ドイツとスペインという欧州の優勝経験国を打ち負かした。前回準優勝のクロアチアと互角に戦い、PK戦で負けた。これは時の運だった。

 素晴らしいの一言に尽きる。