試合後、喜びの記念撮影をする日本サポーター(筆者撮影)

(国際ジャーナリスト・木村正人)

[ドーハ(カタール)発]試合終了間際に初のサッカー・ワールドカップ本大会出場を逃したドーハの悲劇から29年――W杯カタール大会で23日、7大会連続7度目の出場となった日本代表はグループEの初戦で、優勝4度の強豪ドイツ代表に2-1で劇的な逆転勝ちを収めた。ドイツは前回ロシア大会に続き、グループリーグ敗退の悪夢に苛まれている。

 日本代表は前半、ドイツからボールを奪えず、クリアするのが精一杯だった。ドイツの猛攻撃を前に崩壊するのは時間の問題のように見えた。後半、4バックから3バックに変え、日本代表は不死鳥のごとくよみがえった。英BBC放送は「日本代表は世界最高峰、W杯優勝の可能性あり」という視聴者のメッセージを世界に向けて伝えた。

日本のゴールマウス守った「ゴンダ・ザ・グレート(権田大王)」

 前半33分フリーのドイツDFダヴィド・ラウム選手を倒してPKを与えた権田修一選手はその後、好セーブを連発。元イングランド代表ストライカー、クリス・サットン氏はBBCラジオ5ライブで「権田が素晴らしい、立て続けに4つのセーブを見せた。左右に倒れながら体を張った」と手放しで称賛した。

「ゴンダ・ザ・グレート(権田大王)のセーブがいかに重要だったことか」(サットン氏)

「日本が粘っているのは権田の4つのセーブのおかげだ!」(BBC)

 権田選手は20秒間に4つの好セーブを見せ、日本のゴールマウスを死守した。日本人ゴールキーパーとしては2006年ドイツ大会W杯ブラジル戦の川口能活選手の10セーブに次ぐ8セーブの記録だ。

GK権田修一をはじめ、吉田麻也、冨安健洋、遠藤航らもよく守った(写真:新華社/アフロ)