1期限りとの見方が強いバイデン氏はいつ自らの去就を明らかにするのか(写真:ロイター/アフロ)

トランプ前大統領が、次期大統領選に再選を目指して立候補することを表明した。米中間選挙は事前予想より民主党が善戦する結果に終わり、焦点は本格的に2024年へと向かい始めた。今、どんな展望が描かれているのか。米政治に詳しい双日総合研究所チーフエコノミスト、吉崎達彦氏による解説記事の後編をお届けする。競馬予想にも定評がある氏いわく、次の大統領選予想は「来年の有馬記念」並みに難しい!?(聞き手:河合達郎、フリーライター)

前編:「最大のルーザーはトランプ」で、「メシウマ」共和党本流が抱えるジレンマ」から読む(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72790)

求心力保ったバイデン氏、次の大統領選は?

——11月15日にトランプ元大統領の出馬宣言がありました。事前には大敗予想もあった中間選挙で健闘した民主党は、2024年大統領選に向けてどう動くでしょうか。

吉崎達彦氏(以下、吉崎氏):とりあえず、バイデン氏は一種のフリーハンドを得ました。放っておけば党内左派からの突き上げを食らうような状況でしたが、うまく求心力を維持できたと思います。

 彼は「再選は目指す。ただ家族の問題もあるから、年明け早々に決める」というふうな言い方をしています。これは当然で、次も出るぞ、という姿勢を示しておかないと誰もついてこないですから。

 ただ、ご本人の本音としてはどうでしょう。11月20日で80歳になりましたからね。もういいかな、といった感じもあると思います。

「相手がトランプだったらやっぱりオレが出なきゃいけない。でも、トランプじゃないんだったら、別にいいよ」というようなことも伝えられてきていますね。そこは、フリーハンドなんでしょう。