(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年11月2日付)

グローバル化は裏で独裁者を育んでいた(Henrikas MackeviciusによるPixabayからの画像)

 グローバル化が終わるとしたら、どんな終わりを迎えるのだろうか。

 最近まで固く縫い合わされていた多くの経済国の比較的平和な「デカップリング(分断)」を想像する人もいるようだ。

 だが、経済的な絆のほつれは、深まる世界的不和の結果と原因の双方である可能性が高い。だとすれば、グローバル化はより破壊的な終わりを迎えるだろう。

経済的な統合の歴史

 人類は悲しいかな、これを以前やったことがある。

 19世紀初頭の産業革命以来、国境を越えた経済統合が深化する時期が2度、その流れが逆転する時期が1度あった。

 最初のグローバル化時代は1914年より前だった。2度目は1940年代後半に始まったが、いよいよ多くの経済国が互いに統合するに従い、1970年代後半からペースが加速し、範囲が広がった。

 その間に長い脱グローバル化の時期があった。2度の世界大戦に挟まれ、脱グローバル化に付随し、悪化させることにもなった大恐慌と保護主義が拍車をかけた時代だ。

 そして最後に、2007~09年の金融危機以降、グローバル化は深まることもなければ逆転することもなかった。

 この歴史は決して、脱グローバル化の時期が幸福な時代になることを示唆しない。逆に1914~45年は国内および世界の政治的、経済的秩序の崩壊を特徴とした。

 それ自体が第1次世界大戦の産物だった1917年のボリシェビキ革命は、世界に共産主義を放った。

 一部の試算では、共産主義によって1億人前後が命を落とし、2度の世界大戦の死者数をも上回った。

 混沌と厄災に満ちたこの時期には、有益な結果も多少あった。