(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年10月5日付)

習近平は毛沢東の失敗から何を学んだのだろうか(写真は天安門)

 習近平がまもなく、中国共産党総書記と軍のトップという2つのポストで3期目に入ることが承認される。

 このような誰も対抗できない強大な権力を習近平が手にすることは、中国にとって、あるいは世界にとって良いことなのか。

 答えは「ノー」だ。双方にとって危険だ。

 仮に習近平が誰にも負けない有能さを発揮した実績を持つ支配者であったとしても、これは危険だ。

 だが、そんな実績は残していない。

 現状では、国内に硬直化のリスクが、そして国外では諸外国との摩擦が強まるリスクが存在する。

何事も10年で十分

 何事も10年で常に十分だ。

 一流の指導者であっても、それほど長くトップの座にいれば衰える。

 誰も対抗できない強大な権力を手にした場合には、もっと早く腐敗することが多い。

 自分が選んだ人に囲まれ、自分が作り上げたレガシー(遺産)を守っているうちに、独裁者はますます孤立し、神経質になり、偏執的にすらなってしまう。

 改革が止まる。意思決定が遅くなる。馬鹿げた決断が反論されずに実行され、そのまま適用され続ける。ゼロコロナ政策はその一例だ。

 中国の外に目をやりたければ、プーチンのロシアで長期支配が引き起こした狂気に気づくだろう。

 中国国内にも毛沢東の例がある。

 常識的な判断の天才だった鄧小平が、習近平がまさにいま覆している任期制限制度を設けたのは、毛沢東の例があったからだ。