グーグルが撤退を発表した「STADIA」(写真:ZUMA Press/アフロ)

 Facebook(フェイスブック)を運営する米メタが、人員採用を凍結すると、米ウォール・ストリート・ジャーナル米ニューヨーク・タイムズなどの米メディアが報じている。

メタ「23年の予算は非常に厳しい」

 2022年9月29日に開いた週次の全社会議で、マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)が採用凍結について従業員に伝えたという。ウォール・ストリート・ジャーナルが入手した従業員宛のフォローアップメッセージで、メタの人事責任者であるロリ・ゴラー氏は、「メタはコストを最小限に抑えようとしている。会社の23年の予算は非常に厳しいものになり、すべてのチームに影響が及ぶ」と述べた。

 ゴラー氏は、「採用を一時停止することで、各チームは重要プロジェクトを最優先に考えることができる」とも述べた。「離職者が出た際に、自動的に新たな人員を補充することはなく、人事異動も一時停止している」とも説明した。異動先の部署が再編の対象となる可能があり、再度の異動を避けるためだという。

 これに先立つ22年9月下旬、ウォール・ストリート・ジャーナルや米ジ・インフォメーションなどは、メタが人員削減などを通じて経費を少なくとも10%削減する計画だと報じていた。

 報道によると、メタは部門再編を通じ、水面下で相当数の人員削減に着手している。対象となる従業員には、社内の他の職務に応募できる機会を与えている。人員削減を進めながらも、大量のレイオフ(一時解雇)が発生しないようにしているという。

アップルの新ルールやTikTokとの競争

 米アップルは21年4月にスマートフォン利用者のプライバシー保護を目的とした新ルール「アプリのトラッキング透明性(ATT)」を導入した。これにより、iPhone向けアプリ内の利用者絞り込み精度が低下し、Facebookなどのアプリへの広告掲出が減少した。

 これについてメタのデビッド・ウェイナーCFO(最高財務責任者)は22年5月、「アップルの新ルールによって今年は100億ドル超(約1兆4500億円)の売上げが失われる」と説明していた。これは同社の21年における売上高の約8%に相当する。