(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年9月20日付)

どことなく迷惑そうな表情を浮かべる中国の習近平国家主席(9月16日ウズベキスタンのサマルカンドで開かれた上海協力機構の首脳会議で、写真:代表撮影/AP/アフロ)

 今年2月4日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まる3週間前に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は中国の習近平国家主席と北京で会談した。

 発表された共同声明は、ロシアと中国の友情に「限界はない」と謳っていた。

 7カ月経った今、習氏はあの文言を盛り込んだことを後悔しているかもしれない。

 中央アジア・ウズベキスタンでの上海協力機構(SCO)の会議の前に口を開いたプーチン氏は、中国がウクライナ戦争について抱いている「疑問や懸念」に対処すると約束した。

 プーチン氏も習氏も、そうした懸念を公の場で詳しく論じることはしなかった。だが、どんな懸念があるのかは想像に難くない。

 戦争のおかげでロシアは弱体化し、ユーラシア大陸の情勢は不安定になり、西側陣営は強固になった。中国政府にしてみれば、いずれも明るい材料には見えない。

ウクライナ侵攻の誤算

 2月4日の共同声明では、ロシアと中国の友情の土台が米国の世界的リーダーシップに対する共通の敵意であることが明らかにされた。

 ロシアがウクライナで短期のうちに勝利を収めていたら――米国がアフガニスタンから這々(ほうほう)の体で撤退してほんの数カ月しか経っていないこともあり――米国の威信と影響力に深刻な打撃が及んでいただろう。

 中国にとっても好都合だった。台湾攻撃のお膳立てになっていた可能性すらある。

 現実は、それとは対照的な展開になっている。

 ウクライナの紛争が長期化していること、そしてロシアが敗れる可能性さえ浮上してきたことは、中国にとって戦略上大きな後退だ。

 英国国際戦略研究所(IISS)のナイジェル・ゴールド・デービス氏が述べているように、「中国には不機嫌になる理由が豊富にある」。

 そのうち最も明白なのは、中国にとって国際社会で最も重要なパートナーが当のロシアであることだ。