東京五輪・パラリンピック大会組織委員会理事会に出席中の高橋治之理事(当時)(2020年3月30日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

「青木の法則」に近づいているのか

 政界には「青木の法則」というのがあるらしい。“参院のドン”と言われた自民党の青木幹雄元官房長官が語った、内閣支持率と与党第一党の支持率の合計が50%を割ると内閣が倒れるという見立てがそれだ。

 この“法則”なるものに照らして最近のいくつかの世論調査を見てみよう。

 まず朝日新聞だ。同紙が9月10日、11日に行った世論調査によると支持は41%で、8月より6%落ち込んだ。不支持は39%から47%に増加し、同紙の調査で初めて不支持が支持を上回ることになった。他方、自民党の支持率は3%減って31%になっている。“法則”に照らすと41+31なので72ということになる。これならまだ大丈夫のようだ。

 だが毎日新聞と社会調査研究センターが9月17日、18日に行った調査結果では、大きく異なってくる。この調査では、支持率はわずか29%ととなり、ついに30%を切ってしまった。もちろん政権発足以来初めてである。不支持は64%にも上っている。自民党の支持率も前回8月調査の29%から6%低下し、23%となっている。つまり29+23で52になり、内閣が倒れるという危険水域にきわめて近くなっていることになる。

 もう1つ紹介しよう。時事通信が9月9日から12日かけて行った世論調査では、内閣支持率が32.3%、自民党の政党支持率は22.4%となっている。両方合わせると54.7ということになり、やはり危険水域に近づいているということになる。