写真はイメージです(出所:Pixabay)

(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)

 時間が取れない現代人の食生活において、冷凍食品はもはや欠かすことができない存在と言えるでしょう。品目・種類は多岐にわたり、味も驚くほどおいしくなっています。

 筆者が暮らすここ中国でも、冷凍食品は広く普及しています。とくに上海市で今年(2022年)4月から5月にかけて行われたロックダウンをきっかけに、冷凍食品をこれまで以上に買いだめする人が増えました。市場規模はここ数年拡大を続けており、政府の推進策もあって今後もさらなる拡大が期待されています。

 ただ、中国で流通している冷凍食品を見ると、文化的要素もあり、日本とは異なる様相がいくつか見られます。たとえば日本においては冷凍食品の代表的存在ともいえる冷凍チャーハンを、なぜか中国の売り場ではあまり見かけません。

 そこで今回は、中国の冷凍食品市場についてマクロデータを眺めつつ、日本市場と異なる点や、今後の展望について紹介したいと思います。

右肩上がりで市場拡大中

 初めに、中国の冷凍食品市場のマクロデータを見ていきましょう。