ニューヨーク州スタテンアイランドのアマゾン倉庫施設(写真:AP/アフロ)

 アマゾンが大規模な倉庫建設のためのプロジェクトを推進中だと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。アマゾンは先ごろ、同社史上最大規模の業績悪化に見舞われ、過去2年間で拡大してきた物流施設への投資を見直し、余剰資源を削減すると明らかにしていた。

大規模プロジェクトはアマゾン重要戦略

 しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、施設建設の大規模プロジェクトは、同社主力事業の基盤となる物流網を支えるものであり、アマゾンの戦略において依然として重要な位置を占めるという。

 不動産の専門家は「(アマゾンの)これらの新施設は、設備投資が巨額になる長期的なプロジェクトだ。アマゾンはこれまで、それらの市場で対象地域を網羅するめに包括的な戦略を取ってきた。それに対し新戦略は従来のものを洗練させている。特定の中核市場で、適切な拠点を確保しようとしている」と述べている。

過去最大級の物流施設

 アマゾンは2022年7月下旬、米ニューヨーク州西部の町ナイアガラから総工費5億5000万ドル(約743億円)の施設を建設するための承認を得た。ニューヨーク州ナイアガラはカナダとの国境沿いの町で、同州の都市バッファローの北に位置する。ナイアガラフォールズ国際空港とナイアガラフォールズ空軍基地に隣接する場所に5階建て、面積約29万平方メートル(東京ドーム約6.2個分)の物流センターを建設する計画だ。

 同社はカリフォルニア州南部のオンタリオで建設中の5階建て施設(面積38万平方メートル、東京ドーム約8.1個分)と、コロラド州北部ラブランドの5階建て施設(面積36万平方メートル、東京ドーム約7.7個分)についてもプロジェクトを推進している。いずれも同社にとって過去最大級の倉庫になるという。