首都ワシントンD.C.で基調講演するドナルド・トランプ前大統領(右はAFPIのブルック・ロリンズ理事長兼CEO、7月26日、写真:ロイター/アフロ)

ワシントンに乗り込むも説明責任果たせず

 ドナルド・トランプ前米大統領を取り巻く政治状況が激変し始めた。

 上院共和党各議員のトランプ対応が急変しだした。政治専門サイト「ザ・ヒル」は7月30日付でこう報じた。

「匿名希望で2人の共和党上院議員が異口同音にトランプ氏の2024年大統領選出馬に難色を示した」

「一人はこう述べる。『上院共和党議員たちは(米議会襲撃事件に対するトランプ氏の関与を調査する)下院特別委公聴会で次々と暴露された疑惑に愕然としている。上院の共和党議員の多数は、同氏の2024年に向けた政治生命は重大なダメージを受けたとみている』」

「別の一人はこう述べる。『共和党上院議員の圧倒的多数派はトランプ氏の再出馬を望んでいない。特別委が明かしてきた疑惑は累積効果(Cumulative effect)をもたらしている。再出馬に賛成する上院議員の数は片手の指で数えられるが、反対の数は両手でも数え切れない』」

「ザ・ヒル」の政治記者、アレキサンダー・ボルトン氏はこう結論づける。

「下院特別委が次々と暴露したトランプ疑惑は、上院の共和党議員たちにトランプ氏の2024年再出馬どころか、同氏を指名して本選挙に臨めば、わが党はホワイトハウスを奪還することなどできないと感じ始めた。そんな懐疑論が共和党内に充満し始めた」

https://thehill.com/homenews/senate/3580149-gop-senators-are-skeptical-damaged-trump-can-win-in-2024/

 こうした懐疑論は親トランプのメディアにも感染した。

 これまでトランプ氏を支持し、弁護してきた保守派有力紙のウォール・ストリート・ジャーナルとニューヨーク・ポストが7月22日、社説で再出馬に難色を示した。

https://www.wsj.com/articles/the-president-who-stood-still-donald-trump-jan-6-committee-mike-pence-capitol-riot-11658528548

https://nypost.com/2022/07/22/trumps-jan-6-silence-renders-him-unworthy-for-2024-reelection/