1996年から97年にかけてコンゴで大流行。その当時に罹患した人の皮膚(提供:Brian W.J. Mahy/CDC/ロイター/アフロ)

 極めて残念なことですが、本連載の予想は極めて正確に的中し、7月第3週で日本の新型コロナウイルス感染症は1日あたり20万人に手が届くところまで来てしまいました。

 本稿の校正は7月23日土曜、7月第3週最終日ですが、かねての予測通り20万975人で過去最悪。7月4週はこれにオッズ1.5の倍率が掛かることを覚悟して、関係各位は対処せねばなりません。

 コロナについては、東京大学ゲノムAI生命倫理研究コアとしての分析を踏まえ(「文責」は私個人)、的確と思われる見通しを継続発信していきます。

 今回は「次の伝染病」、コロナでもう病気はたくさんだと誰もが思っている中ですが、これから全世界的な蔓延が懸念される「サル痘」を検討してみます。

 7月21日、WHO(世界保健機関)は、欧米を中心に感染者が急増している「サル痘」を「国際的に公衆衛生の問題が懸念される緊急事態」に相当するかを検討する専門家委員会を招集したと発表(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220722/k10013730321000.html)しました。

 同様の委員会は6月23日にも召集され、その時点では、すでに「新型コロナ」そして「ポリオ(小児麻痺)」の「緊急事態」は発令されていることもあり、「宣言」は見合わされました。

 従来はアフリカの極く一部の地域で感染が確認される典型的な「特定疾患/地域伝染病エンデミック(endemic)」であるサル痘、様子をみようということになった。

 それからたった3週間で、アフリカ以外の、いままでこの病気が流行したことのない70を超える国や地域で感染者が急増、その数は1万4000を超えています。

 これはどうみても尋常な事態ではないので、再度、専門家委員会が招集されました。

 今回の委員会検討を踏まえ、数日以内にテドロス・アダノムWHO事務局長が「緊急事態」を宣言するか否かを決定することになります。

(追記:7月23日(日本時間24日早朝付1報)WHOは2020年1月の新型コロナウイルス以来の「緊急事態宣言」を宣言、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2339S0T20C22A7000000/、しました。以下の原稿はWHO 決定に先立って手許に集まっていた情報に基づいて準備したものになります)

 さてしかし、そもそも「サル痘」とは何なのか?

 一体どういう病気で、何が警戒されているのでしょう?