2022年7月14日、日本の新型コロナウイルス感染症罹患者は、記録の上で1000万人を超えました。

 そして7月16日、本連載で正確に予言した通りになっていますが、7月半ばの時点で1日あたりの新規感染者数が11万675人を数え、過去最大となりました。

 しかし社会の空気はコロナ禍に対して、良くも悪しくもあまり深刻な受け止め方をしていないように思われます。

 一つには第26回参議院議員選挙とその前後の混乱などで、世論の注目が感染症に必ずしも向いていないこと。

 また「どうせ弱毒なんでしょ」的な緊張感の欠如、いわゆる「コロナ慣れ」の影響が最も大きいと指摘するべきかもしれません。

 言うなれば「音もなく」来襲し、過去最悪の被害をもたらししつつある、2022年7月、夏の日本列島コロナ第7波リスクとなっています。

 コロナがまだ目新しい病気だった頃、著名な芸能人の罹患~訃報などが相次いだ2020年上半期、日々の新規感染者数は1000人のオーダーでした。

 それでも社会全体が「医療崩壊」を深刻に懸念していました。

 2021年夏、東京オリンピック・コロナピークの頃、デルタ変異株による蔓延は最大1日2万6000人ほどに膨れ上がり、桁外れの感染爆発を見せました。

 しかし、それすら今となっては過去の話です。

 2022年夏、ピークに向けて急上昇中で、既に1日あたり12万人規模の感染を出しているオミクロンBA.5株の蔓延実態があります。

 2020年春、小中学校の卒業式が中止になった頃の感染は、今現在の1%、100分の1にも届かない規模でした。

 当時懸念された「医療崩壊」は、制度の読み替えによって発生しないような工夫がなされ、伝染病でありながら在宅療養という、掟破りの状況でしのいでいます。

 実のところ、未曾有の国難と言わねばなりません。