日産グローバル本社の前で急速充電する「サクラ」。価格は上級グレードの「G」が294万300円、中間グレードの「X」が239万9100円(筆者撮影)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 日産グローバル本社(神奈川県横浜市)を起点に、軽自動車規格の新型EV(電気自動車)「サクラ」に試乗した。結論から言えば、軽自動車という括りではなく普通乗用車を含めたEV全般として、とても出来栄えの良いEVだと感じた。キモは、クルマとしてのバランスの良さにある。 

 日産はEV界のリーダー的存在と言ってよい。2010年に大手自動車メーカーとして初となる大量生産型の乗用EV「リーフ」を販売し、グローバルで累計約60万台を販売してきた。直近ではプレミアムEVの「アリア」を市場導入。日産社内ではリーフを含めた3モデルを「EV兄弟」と呼んでおり、サクラは末っ子ということになる。

 また、軽自動車の商品企画と開発に特化した、三菱自動車工業との合弁会社NMKVで「デイズ」と「ルークス」を開発している。そうした軽自動車のラインアップの中でサクラは日産のプレミアムな商品であるといえる。

試乗した「サクラ」。横浜市内にて筆者撮影