(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年6月28日付)

働く子育て中の母親が増えているが・・・

 英国経済はこの数十年、若者に険しい道のりを与えてきたが、それでも何とか、より多くの若者を取り込んできた。

 18~24歳の若者のうち労働市場の脇にいる人(働きもせず、勉強もしていない人)の割合は1990年代以降、低下した。

 金融危機と新型コロナウィルスのパンデミックがもたらしたショックを考えると、なかなか立派な成果だ。

 だが、この傾向は、統計の表面を深く掘り下げることがなぜ重要かを示す好例だ。1つの物語に見えるものは、実は2つの物語だ。1つは概ねポジティブで、もう1つは明らかに憂慮すべき物語だ。

専業主婦の若い母親が激減

 この数十年間、無職の若者を減らしてきた最大の原動力は、専業主婦の若い母親の激減だった。

 英レゾリューション財団の分析によると、家族の世話をしているために「経済的に活動していない」若い女性の数は、2006年から2021年にかけて78%減少した。

 政府の手当で生活する10代の母親という固定概念は、ひどく時代遅れだ。

 ここでは2つのことが起きている。

 子供を産む若い女性が減り、若い母親になる人は今、以前より仕事をするようになっている。

 英国の政策立案者は1999年に「ティーンエイジ妊娠対策(TPS)」を導入することで拍車をかけたものの、若い女性の間の出生率低下は、多くの国に共通する大きな社会的傾向だ。

 10代の母親は教育を終える確率が低く、貧困に陥る確率が高いことを考えると、この傾向は称賛する価値があるだろう。