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(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)

 最近、中国半導体産業について不思議なことに気づいた。中国は世界最大の半導体市場となった。また、中国の半導体製造装置市場も世界最大となった。ところが、中国半導体産業における最大の問題である、半導体の自給率が一向に上昇してこないのである。

 これは一体なぜなのか? 本稿では、この謎の解明を試みる。まずは、世界最大市場となった中国半導体産業について説明する。

世界最大市場となった中国半導体産業の悩み

 2001年以降、中国を含むアジアの半導体市場が急拡大している(図1)。そして、世界半導体市場統計(World Semiconductor Trade Statistics、WSTS)において、中国市場が単独で掲載されるようになった2014年からは、中国が世界最大の半導体市場であることが改めて確認された。

図1 地域別の半導体市場の推移(~2021年)
出所:WSTSのデータを基に筆者作成

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