例えば、現在ウクライナの港を封鎖しているロシア軍の艦隊を撃沈する手段をウクライナ政府に与えるといったことだ。

 西側の結束を維持する必要性を意識し、米国と同盟国は全員が同意できる決まり文句を編み出した。

 ショルツ、マクロン両氏を含むすべての人が、ウクライナに和平協定を強要しないことで同意している。

 だが、ウクライナ側の懸念は、戦場でロシアの進軍を阻止できるだけ強力な兵器を与えてもらえないために、事実上、領土の割譲を強いられることだ。

勝利の定義が決まらないまま消耗戦が続く

 ウクライナへの供与が約束された新型ロケット砲システムが今後数週間でどれくらいの威力を発揮するかに多くのことが左右される。

 根底にある分裂にもかかわらず、欧米諸国の政府は、もしウクライナがロシア軍を2月24日の侵攻開始時点にいた場所まで押し返すことができれば、それが真剣な交渉の基盤になると考えているようだ。

 しかし、残念ながら、ウクライナがこの手の勝利を収められる保証はない。また2月24日の線が達成されたとしても、双方が戦闘をやめる保証もない。

 ウクライナでは、ベトナムと同様、勝利の定義は危険なほどとらえるのが困難で、その結果は長く、苛酷な消耗戦争かもしれない。