中国・上海のショッピングモールで2017年に開催された「ドラゴンボール」展(資料写真、2017年4月26日、写真:アフロ)

(馬 克我:日本在住中国人ライター)

 2014年、アメリカのSF映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』が中国で上映された。中国における興行収入は19億8100万人民元(当時レートで、約341億6452万円)に上り、アメリカでの興行収入を超えて世界最多となった。

 この数字には、中国改革開放の歴史が反映されているといえる。

 1978年、毛沢東が死去して2年ほど経った頃、鄧小平が実権をほぼ掌握し、中国の改革開放政策は幕を開けた。象徴的だったのは、資本主義国家の映画の上映を中国で解禁したことだ。同年、中国において「日本映画ウィーク」が開催され、7つの都市で『サンダカン八番娼館 望郷』『君よ憤怒の河を渉れ』『キタキツネ物語』という3本の日本映画が公開された。

 これらの映画は中国社会にきわめて大きな影響を与えた。私の親世代からすると、ついに扉が開き、外の世界を見ることができるようになったのだ。

 しかし、80年代生まれの私からしてみれば、この扉は初めから開いていたことになる。