今回発覚した巨額の横領事件に大統領府も驚いたに違いない

 最近、韓国では横領事件が後を絶たない。

 1月初めから話題になったオステム・インプラント社の2000億ウォン(約200億円)台の横領事件から始まり、今回は大手ウリィ銀行の行員によるの614億ウォン(約61億円)横領事件が発覚した。

 ちなみに、ウリィ銀行は、韓国内預金高では現在3位。

 事件の発端は、2010年にまで遡る。

 当時、1999年から続く経営難で売りに出されていた大宇エレクトロニクス社を韓国のドンブグループ(現、DBグループ)という財閥が買い取った。

 大宇エレクトロニクスの筆頭株主は韓国資産管理公社(持分57.4%)であり、メインバンクはウリィ銀行であった。

 イランの家電メーカーのエンテクハブ(Entekhab)が優先交渉対象となり、エンテクハブが契約金(578億ウォン)を支払った。

 ところが、エンテクハブは契約保証金(578億ウォン)を出しただけで、買収金額から600億ウォンほどを値引きしてほしいと交渉した。

 交渉は難航し、そのうち契約期限を過ぎてしまった。2011年に契約が成立せず、ウリィ銀行はメインバンクとして特別管理口座を設け、エンテクハブの契約金を預かっていた。

 契約が成立しなかったことで、契約保証金を返す必要がなくなり、契約保証金は宙に浮いた状態になっていた。