中国のアップルストア(写真:ロイター/アフロ)

 米アップルの主要サプライヤー(取引先)200社のうち、半数がゼロコロナ政策によるロックダウン(都市封鎖)下の中国上海とその周辺地域に生産拠点を構えている。Nikkei Asia(日経アジア)と英フィナンシャル・タイムズが4月27日までに報じた。

ロックダウンから1カ月、解除の見通し立たず

 新型コロナの感染拡大が続く上海では、厳しい外出制限が敷かれて4月28日で1カ月がたった。地域では交通も厳しく規制されている。いっこうに制限解除の見通しが立たない中、様々な事業活動に混乱が生じているという。

 アップルはサプライヤー企業のリストを公開している。このリストは毎年更新されており、同社が世界で販売する製品の材料や製造、組み立てに関する直接支出の98%をカバーしている。その最新版(2021年版)を見ると、金融の中心地として知られる上海が、テクノロジーの世界的なサプライチェーン(供給網)にとっても重要拠点になっていることが分かるという。

 Nikkei Asiaがリストを分析したところ、70社以上が江蘇省に製造工場を持ち、各拠点からアップル製品の部品などを供給している。そのうち大半は、上海近郊の昆山市と蘇州市にある。さらに30社ほどのサプライヤーは上海市でも生産している。

 これらのサプライヤー企業は、スマートフォン「iPhone」の組み立てを請け負っている台湾・和碩聯合科技(ペガトロン)や、タブレット端末「iPad」を組み立てている台湾・仁宝電脳工業(コンパル)のほか、ディスプレイや回路基板、バッテリー、音響部品などのメーカーに至るまで多岐にわたる。

 また、サプライヤー企業はアップルのほか、米グーグルや米マイクロソフト、米インテルなどの米大手や、華為技術(ファーウェイ)や小米(シャオミ)、OPPO(オッポ)などの中国大手を顧客に持つ。