(英フィナンシャル・タイムズ電子版 2022年4月25日付)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領の戦略は見事に奏功した。
同氏は常々、2017年の大統領選挙で倒した極右指導者のマリーヌ・ルペン氏との再対戦を望んでいた。
ルペン氏の弱点と、極右に対して結束するフランス人有権者の本能――「共和戦線」と呼ばれるもの――が再度ものを言うことを期待していた。
大統領1期目の荒れた5年間の後、マクロン氏に向けられた猛烈な怒りと罵詈雑言にもかかわらず、戦略は奏功した。
フランスの経済、社会、外交政策の大改革を約束したルペン氏に勝利を与えることは、暗闇で飛ぶような無謀な行動になった。
欧州連合(EU)のパートナーと経済界の大部分が心から安堵したことに、フランス国民は飛ぶことを嫌がり、ある種の継続を選んだ。
歴史的かつ決定的な勝利だが・・・
マクロン氏の勝利は歴史的だった。
フランスの現職大統領が再選を果たしたのは20年ぶりで、政府を支配しながら2期目を勝ち取ったのは1962年に直接投票制が導入されて以来初めてだ。
(フランソワ・ミッテランとジャック・シラクは野党との「コハビタシオン=保革共存」体制を敷き、大統領と首相が異なる政党に所属していた)
勝利は決定的でもあった。