新型コロナ対策の規制がほぼ全面解除された韓国・ソウルの地下鉄の駅(2022年4月15日、写真:AP/アフロ)

(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 最近日本から連絡が来ると、思いもしない一言を言われることがよくある。

「韓国は大丈夫ですか?」

 韓国の新型コロナ大流行のことだ。現在は徐々に落ち着きつつあるものの、1日当たりの陽性判定者数は直近1週間の平均で15万人ほど。人口比で換算すれば日本だと36万人規模に相当するというなかなかの高水準なのだ。

 そういえば、今回の韓国でのコロナ大流行に関しては、日本と欧米のメディアでは伝え方が大きく異なっている。文在寅(ムン・ジェイン)政権が掲げてきたコロナ対策「K防疫」について、米CNNは4月2日の記事で韓国での致命率の低さを高く評価した。一方、日本の朝日新聞は同じ日の記事で「K防疫崩壊」と批判している。

 この相反する評価はすぐにテレビでも報道され、韓国国内ではちょっとした話題になった。中央日報日本語版がこのことを報じているので、ご存知の方もいらっしゃるだろう。そうした状況なのだから、日本から心配されてしまうのも無理はないのかもしれない。