(英フィナンシャル・タイムズ電子版 2022年4月14日付)

プーチン・エクソダスは準恒久的な現象になる可能性がある

 しばらく前にシリコンバレーを訪れた際、フィンテック企業の創設者、スタートアップ企業のインキュベーション(起業支援)を手がける企業のトップ、バーチャルリアリティー(仮想現実)企業の上級幹部と立て続けに面談したことがあった。

 偶然ながら、全員に共通する点があった。3人とも旧ソビエト連邦生まれだったのだ。

 グーグル、マイクロソフト、IBM、そしてツイッターを現在率いるインド生まれの経営者たちを除けば、ロシア人やウクライナ人ほど米国のハイテク業界に大きな影響を及ぼしている国民はほとんどいない。

 グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリン氏と影響力のあるハイテク投資家ユーリ・ミルナー氏はともにモスクワ生まれだ。

 ワッツアップ共同創業者のジャン・コウム氏とペイパルの共同創業者の一人、マックス・レブチン氏はもともとキーウ(キエフ)の出身だ。

欧米やイスラエルへ続々脱出

 米国、欧州、イスラエルには近々、エネルギーに満ちあふれた起業家がさらに流入するかもしれない。

 ロシアがウクライナに仕掛けた残虐な戦争のせいで数百万人ものウクライナ人が故郷を追われているうえに、ロシアからの大量脱出も起きているからだ。

 だが、あれほど多くのウクライナ国民の逃避については一時的かもしれないとの希望があるが、ロシアからの流出はそれより恒久的かもしれない。

 ウラジーミル・プーチン大統領は今、ロシアのギアをバックに入れ、多くの国民が捨て去ったと思っていた独裁と孤立主義の過去に戻ろうとしている。

 作家のマーシャ・ゲッセン氏はニューヨーカー誌に次のように書いている。