マツダのCX-60プロトタイプに搭載された、新型3.3リッターディーゼルエンジン(筆者撮影)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 なぜ、マツダはディーゼルエンジンにこだわり続けるのか?

 マツダは新型クロスオーバーSUV「CX-60」を欧州に続いて日本でも発表したが、メディアやユーザーの間では、そうした疑問を持つ人が少なくない。

 なぜならば、2020年代に入り、それまでディーゼル乗用車が市場の中核を占めていた欧州で一気にBEV(電気自動車)シフトが加速しており、欧州自動車メーカーの多くがディーゼル乗用車やディーゼル商用車の量産を段階的に縮小し、最終的には休止するとの意向を示しているからだ。

大排気量ディーゼルエンジンを投入

 こうした状況下で、マツダは3.3リッター直列6気筒の新たなディーゼルエンジンを開発した。これまでは2.2リッター直列4気筒が最大サイズだった。

 このディーゼルエンジンを、エンジン縦置きのFR(フロントエンジン・リア駆動)車に搭載し、CX-60を皮切りに「マツダ・ラージ商品群」としてグローバルで展開する。