(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年3月23日付)

この男の暴挙はロシアだけでなく全世界に深刻な影響を及ぼしている(1月27日レニングラード包囲戦勝利78周年記念式典で、写真:ロイター/アフロ)

 ウラジーミル・プーチンのウクライナ侵攻は、我々の世界を作り替える。どのように作り替えるかは、まだ不透明だ。

 戦争の結果と、世界経済に対する影響を含めたより広範な波及効果の双方が、おおむね分かっていない。

 だが、いくつかの点はすでに明々白々だ。

 新型コロナウイルスのパンデミックの始まりからわずか2年後に訪れた戦争は新たな経済的ショックであり、ウクライナにとって壊滅的、ロシアにとって甚大、残る欧州諸国と世界の大部分にとって大きな衝撃になる。

 いつものように、難民の影響は主にローカルだ。ポーランドはすでに、トルコに次いで世界で2番目に多い難民人口を抱えている。

 難民は他の東欧諸国にも流れ込んでいる。今後もその数が増えていくだろう。

 また、多くの人は早々に戻れることを期待し、母国の近くにとどまることを望む。彼らに食べ物と住まいを与える必要がある。

GDPとインフレに直接影響

 ただし、経済協力開発機構(OECD)がまとめた秀逸な暫定経済見通しが示しているように、戦争の影響は東欧どころか、欧州全体の域をも大きく超えて広がる。

 ロシアとウクライナは世界の国内総生産(GDP)合計の2%しか占めておらず、世界の貿易に占める割合も同程度だ。

 ロシアに対する外国直接投資(FDI)とロシアによる対外FDIのストックも世界合計の1~1.5%程度だ。国際金融における両国の役割全体も取るに足りない。

 それでもロシアとウクライナは世界経済にとって重要だ。