ロシア軍によって破壊されたスムイの町(3月8日、提供:Andrey Mozgovoy/ロイター/アフロ)

 ウクライナ情勢について3月7日、米国のジョー・バイデン大統領、英国のボリス・ジョンソン首相、ドイツのオーラフ・ショルツ首相、それにフランスのエマニュエル・マクロン大統領の4人の首脳がオンライン会談を行った。

 会談はおよそ1時間20分にわたり、ロシアへの圧力の強化やウクライナへの支援の継続などで一致した。

 これについてホワイトハウスは会談後に次のような声明を発表した。

「首脳らは理不尽で正当化できないロシアの軍事侵攻に対し圧力を強化していく決意を確認した。そしてウクライナに安全保障や経済面、人道面など様々な分野で支援を続けていくことを強調した」

 筆者は、欧米諸国側の何か新しい対応策が出てくるのかと期待していたが見込み外れであった。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は3月7日、ウクライナでこれまで170万人が避難民となって国外に逃れたと明らかにした。

 UNHCRは「第2次世界大戦以降、欧州で最も急速に悪化している難民危機だ」と指摘し、即時停戦を呼び掛けた。

 また同日、ウクライナの人道危機を巡る安全保障理事会会合で、UNHCRの報告として「民間人の死傷者は3月6日時点で1207人で、死者は少なくとも406人に上る。実際の数字はもっと多いと思う」と述べ、被害拡大に懸念を示した。

 今後、ロシアの攻撃による民間人犠牲者は増加するであろう。今、国際社会がやるべきことは何であろうか。

 以下、初めに、ウクライナの現況を述べ、次に、予想される5つの結末を述べ、最後に、今、国際社会がやるべきことを述べる。