「ルノー・日産・三菱自動車 アライアンス」の会見の様子(出所:日産自動車)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 2050年カーボンニュートラル達成に向けて、自動車メーカー各社の動きが活発化している。だが電気自動車の普及を一気に進めるという「EVシフト」について、日本のユーザーの捉え方はまちまちだ。懐疑的な受け止め方も少なくない。

 その原因として、メーカーからユーザーに届く「EVシフト」に関する情報の中身が、メーカーによってバラバラであることも大きいだろう。

“全方位戦略”を進めるトヨタ

 例えば、トヨタ自動車は2021年12月14日に開催した「バッテリーEV戦略に関する説明会」で、2030年までにグローバルで年間350万台のEV製造販売を行うとの目標を掲げた。これはトヨタグループ全体の約3割に相当する。

 豊田章男社長は、世界の国や地域によって社会状況に違いがありユーザーのニーズは多様なため、EVだけではなくハイブリッド車や水素などを活用したエンジンなど、様々な原動機を研究開発する“全方位戦略”を強調した。