マハティール元首相が入院している国立心臓研究所。多くのメディアが詰めかけている(クアラルンプール、筆者撮影)

本文敬称略

 台湾の元総統・李登輝、シンガポールの元首相リー・クアンユー亡きあと、大国に物申す、最後のアジアのソロモン(賢人)とされてきたマレーシアの元首相マハティール(96歳。マレーシアの現役国会議員)。

 100回を超える訪日と欧米追随でない日本を開発モデルとしたルックイースト政策を導入したことで、国際的にも知日家で知られるマハティールの安否が気遣われている。

 1月22日、マハティールが再々入院していたことが、側近ら関係者によって一部メディアに正式に明らかにされた。

 実はその数日前から、ネット上では次のような内容の告発文が飛び交っていた。

「マハティールが国立心臓研究所(IJN)に再々入院した。集中治療室で治療を受けているが、医療チームは長く持たないと判断し、家族らに親族を呼ぶように伝達した」

 筆者も、彼の側近ら関係者からその事実を知らされていた。

 また、2017年に設立されたマハティールの正式メディアグループのWhatsAppアプリの会員に日本人記者として初めて登録して数年が経つが、そこでも側近がマハティールの再々入院を認めた。

 彼は、2021年12月16日に同研究所に1週間入院後、年が明けた1月7日にも手術のため再入院。この1か月あまりの間に計3回入院したことになる。

 マハティールは、もともと心臓に持病を抱え、1989年と2007年の2回、バイパス手術を受けている。

 今回、2回目の入院時には、1月8日に手術し、「手術は成功した」と病院が発表。13日に退院し、自宅療養していた矢先に、1週間ほどで再々入院する事態となっている。