エリザベス女王の後ろに立つアンドルー王子。右はヘンリー王子と妻のメーガン妃(2018年7月10日、写真:AP/アフロ)

英詩人バイロンも苦笑い?

「事実は小説よりも奇なり」と宣(のたま)ったのは英国の詩人バイロンだ。

 人身売買の毒牙に刺された当時17歳のヤンキー娘が大英帝国のプリンスに性的暴行を受けた21年前のスキャンダル──。

 陳腐なポルノ小説のプロットには最高に面白いが、これが「事実」となると、面白がってばかりはいられない。

 既報の通り、そのプリンスとは2月6日に在位70年を迎えるエリザベス女王(90)の次男、「ヨーク公」のアンドルー王子(61)。

 被害者はカリフォルニア州生まれで現在オーストラリア在住のバージニア・ジュフリーさん(Virginia Giuffre=38=旧姓バージニア・ロバーツ)*1さん。

*1=4歳の時に両親とともにフロリダ州移住。7歳の時に親戚の男に暴行されたあと家出、14歳の時には65歳の男にかどわかされて「同棲」。父親はドナルド・トランプ氏が経営するクラブの保守管理人だった。現在の夫はタイで知り合ったオーストラリア人の武道家、ロバート・ジュフリー氏。3児の母親。

 王子は当時41歳、ジュフリーさんは未成年の17歳。

 王子は、親しくしていた米人富豪だが、未成年への性的虐待などの罪で収監されていたジェフリー・エプスタイン服役囚(Jeffrey Epstein=2019年8月、勾留中に死亡、自殺とされている)とその愛人、ギレン・マックスウェル容疑者(60=2021年12月30日に有罪判決、65年禁固刑)が連れてきたバージニアさんと性的関係を結んだとされる。

 最初はロンドン、2回目はニューヨーク、3回目はバージン諸島と3回に及んだという。

 メディアはこれをアンドルー王子の未成年者性的暴行事件として大々的に報道してきたが、王子は「事実無根だ」と全面否定してきた。