(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年1月4日付)

2021年12月15日に行われたオンライン形式の中露首脳会談を伝える北京のモールにある巨大スクリーン(写真:ロイター/アフロ)

「過去を支配する者は未来を支配し、現在を支配する者は過去を支配する」

 ジョージ・オーウェルがこう記したのは1940年代後半のことだ。

 だが、代表作『1984年』にあるこの一文は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席が歴史を扱う時の完璧な手引きになっている。

 2021年の暮れにかけて、ロシアと中国の政府は自国の歴史をめぐる議論を検閲するために劇的な行動を起こした。

 どちらの事例でも、「過去を支配する」決意は未来について暗いシグナルを送っている。

中ロでは歴史の扱いが違ったが・・・

 ロシアの最高裁判所は、スターリン主義の犠牲者の記憶を記録・保存するためにソビエト連邦時代の末期に設立された団体「メモリアル」に解散を命じた。

 香港では、いくつかの大学が中国の中央政府の要求に屈し、1989年に天安門広場で虐殺された犠牲者を追悼する像をキャンパスから撤去した。

 1997年に英国の植民地でなくなってから20年あまり、香港は中華人民共和国における自由な言論の要塞だった。

 だが、その時代は明らかに終わりを迎えた。

 メモリアルの解散は、ロシア全体にとっての転換点であるように感じられる。