クライスラーテクノロジーセンター前にあるステランティスの看板(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムと欧州自動車大手のステランティスは1月5日、車載情報システムや電子商取引(EC)配送用車両などの分野で複数年契約を締結すると発表した

アマゾン、車載情報システムにソフト提供

 ステランティスは2021年5月に、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と合弁会社を設立し、「スマートコックピット」と呼ぶ車載情報システムを開発・生産している。アマゾンは今後、スマートコックピット用のソフトウエアをステランティスと共同開発し、24年から各ブランドの自動車に搭載する。

 具体的には、アマゾンの人工知能(AI)「アレクサ」を組み込み、音声操作でカーナビゲーションや音楽、ポッドキャスト、オーディオブック、通話、車両メンテナンス、EC、決済サービスなど機能を利用できるようにする。車載のアレクサから自宅のスマート家電を操作することもできるという。

「ラム」ブランドの商用EVをアマゾンに供給

 ステランティスはこれまで、アマゾンの北米・欧州のラストマイル配送(物流最終拠点から顧客宅まで)車両として、「ラム」や「フィアット」、「プジョー」、「シトロエン」といったブランドの小型商用車を供給してきた。

 ステランティスは23年に、ラムブランドの大型商用バンの電気自動車(EV)を開発・生産する計画。これを、最初の法人顧客としてアマゾンに供給することでも合意した。23年以降、毎年数千台規模をアマゾンに納入するという。