(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)

 2021年は世界的な半導体不足によりクルマをはじめ各種電子機器が生産できなくなるなど、「半導体」が世間の耳目を集めた。また、世界の最先端の微細化を独走するTSMCが熊本にファンドリー工場をつくるというニュースも新聞やテレビで取り上げられて、大きな話題となった。

 そのような中、日本最大の半導体のビジネスイベントである「SEMICON Japan」(主催はSEMI:国際半導体製造装置材料協会)が2021年12月15日~17日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。

 SEMICON Japanでは、半導体製造装置メーカー、その部品や設備メーカー、材料メーカーなどが出展するとともに、各種のシンポジウムやセミナーが開催される。

 筆者は、そのシンポジウムの1つ、Semi Technology Symposiumでの講演を依頼されたため、久しぶりにSEMICON Japanに参加した。筆者は、『日本の装置と材料の競争力とその源泉』というタイトルで、元インテルの亀和田忠司氏と共同発表を行った。筆者が「前工程」を受け持ち、亀和田氏に「後工程」の発表を依頼した(その概要をEE Times Japanに寄稿したのでご参照いただきたい)。

 本稿では、SEMICON Japan 2021の総括を行いたい。結論から言うと、SEMICON Japan 2021の参加人数や各種シンポジウムなどの出席状況は低調であり、世間が騒ぐほどには、日本では半導体産業に関心がないのではないかと推測される。