(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年12月24日付)

イカゲームの大ヒットは今の世界を象徴している

 今月に入って新たな新型コロナウイルス規制が敷かれるなか、何百万もの欧米世帯が動画配信サービスに釘付けになってホリデーシーズンを過ごすと考えて間違いないだろう。

 また、多くの人がネットフリックスで爆発的なヒットとなっている韓国発の暴力的なディストピアファンタジー番組「イカゲーム」を視聴するというのも妥当な予測だ。

 ここまでは取るに足りない話だと思われるかもしれない。

 だが、この番組視聴の選択に埋め込まれているのは、変わりゆくグローバル化の性質の象徴だ。

 かなり励みになる兆しであり、2022年に向けて備えるなかで投資家も留意すべき現象だ。

 過去数十年間というもの、「グローバル化」という言葉は概ね、少なくともグローバルなビジネスエリートの考えでは西洋化とほぼ同義だった。

 メディアコンテンツのグローバル化は、ハリウッドがヒット映画を輸出することを意味した。

 そしてメディアプラットフォームの米ネットフリックスが24年前に誕生した時には、米国で制作された作品を主に米国の消費者に提供した。

イカゲームの爆発的ヒットに潜む象徴

 だが、イカゲームはネットフリックスの支援を受けて韓国で制作された作品で、今年、世界90カ国・地域で最も視聴された大ヒット番組になった。

 実際、世論調査によれば、米国人の4人に1人がイガゲームを視聴しており、世界の視聴者のために制作されたスペイン版、ブラジル版、フランス版が今、ネットフリックスのサイトにあふれ返っている。

 言い換えると、メディアのグローバル化はもはや、ハリウッドの話ではない。デジタル化はこれを多極的な現象にした。

 しかも、イカゲームのヒットはその他諸々の分野で起きていることの一つの比喩に過ぎない。