竹島にはためく韓国国旗(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 1965年の日韓請求権協定以降、30年以上、日本と韓国は竹島に関して、事実上「未解決保留」という原則を守ってきた。実効支配しているのは韓国であり、このような「未解決保留」状態が続いているということは、実際は日本に対する「判定勝ち」であり、「竹島の完全所有」と違わない、有利な状況と見ることができる。ところが、この有利な状況を韓国自身が先に蹴飛ばした。今では毎日平均で400人以上が竹島に上陸している。この状況を覆すにはどうすればいいのか。韓国における保守派論客として知られるファンドビルダー氏の論考(後編)。

◎前編「竹島に韓国人が毎日400人以上上陸する状況を作った日本の責任」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68117)

(ファンドビルダー:韓国コラムニスト)

 日本人は、どれだけの韓国人が竹島に上陸しているのか、知っているのだろうか。竹島に上陸する人は、大統領や国会議員、 警察庁長官、芸能人だけではない。一般の韓國人が竹島に上陸することは日常になっている。以下は、最近7年間に竹島に上陸した韓国人の現況だ(少数の外国人を含む)。

・2015年:13万3657人
・2016年:17万4503人
・2017年:15万9016人
・2018年:20万3110人
・2019年:23万684人
・2020年:5万6364人
・2021年:10万1122人(10月28日現在、※3月~11月に上陸)

 1997年に竹島に建設された接岸施設と防波堤のおかげで、韓国政府は一般人に向けて、「独島開放」を宣言することができた。2006年からは、韓国人および外国人を対象に、竹島上陸を許可した。2006年から2021年10月28日現在まで、竹島に上陸した総人数は206万8694人に上る。この中には、約100人の日本人を含む5000人余りの外国人(全体上陸人数の0.24%)も含まれている。

 最近の7年間(2015~2021)を見ると、上陸人数は105万8456人で、毎年平均15万1208人となる。これは1日に414人が、竹島に上陸している計算だ。2020年は、コロナの影響で上陸人員が前年対比で大幅に減ったが(前年23万人から5万人)、コロナの影響にもかかわらず、2021年には10月現在で、既に前年対比100%に肉迫する増加の勢いを見せている(前年5万から10万)。このような勢いならば、2022年からは毎年20万人前後という例年の水準に回復する可能性もある。1年に20万人ならば、毎日547人が上陸することになる。

 23万684人が上陸した2019年の場合、毎日632人が上陸した。一般人を乗せた船舶が竹島に接岸できる確率は、77%ほどである。竹島上陸を試みても、そのうちの23%は気象悪化などで上陸できず、竹島周辺を旋回して戻る。したがって、竹島に上陸した総人数206万8694人より、はるかに多い268万人ほどが上陸のために竹島へ向かったということになる。

 しかも、2010年からは竹島に上陸あるいは竹島を一周すれば、希望する場合、誰にでも「独島名誉住民証」が発給される。現在7万人を超える人が、独島名誉住民に登録されている。この中の1866人は、米国、中国、カナダ、フランスなど外国人であり、日本人も17人が独島名誉住民として登録されている。

竹島では韓国海軍の軍事訓練まで行われている(提供:South Korea's Navy/AP/アフロ)