顧客の満足度を高める取り組みに従業員が集中できる

 須藤氏は、コロナ禍にあって新しいことに挑戦しようと考え、オーダリングに初めてデジタル技術を採用。株式会社dinii(本社/東京都台東区、代表/山田真央/以下、ダイニー)が開発・運営する店内モバイルPOS「ダイニーセルフ」を導入した。モバイルオーダーはコロナ禍にあって飲食業界での普及が進んだが、ダイニーセルフは「注文する」「決済する」だけではなく、顧客情報を入手して過去の店舗利用状況を把握でき、さらに「推しメール」「キッチンディスプレイ」という機能も持つ。

 「過去の店舗利用状況を把握できる」とは次のようなことだ。店舗ではPOS販売データとLINEから取得するID情報を自動連携でき、過去に「誰が」「何を」食事したのかが分かる。従業員はそれを見ることでリピーターのお客に最適な対応をとれるわけだ(顧客情報から、お客それぞれにカスタムされたクーポンを届けることも行っている。筆者には初めて食事した2週間後あたりに、LINEに「ラムチョップ」1本550円の無料クーポンが届いた)

ラム料理の店では定番の「ラムチョップ」550円(税込、以下同)
「絶品!ラムのスペアリブステーキ」1290円。160gのスペアリブを真空パックにして65度45分間の低温調理を施し、提供時に表面を軽く焼成している

 しかも、モバイルオーダーはスマホを使い、お客が自分で注文するので、サービス係の従業員にメニューを覚える必要がなく、また注文をキッチンに伝えるときに生じることもあるミスがなくなる。だから、目の前の顧客の接客に集中でき、料理の説明などを丁寧に行うことができるようになる。

 こうした接客にお客が応える機能が「推しエール」。これは、お客が従業員に感謝や応援の気持ちを送る「投げ銭」、いわゆるチップだ。ラムゴローの場合、この対象となる従業員は15人いて(お客はスマホで顔写真と店舗での愛称、自己紹介を見ることができる)、投げ銭のボタンは「0円」「100円」「300円」「500円」「1000円」。特定の従業員に向けてその金額のボタンを押すとその従業員に届き、押した金額はメニューの注文と同じように会計に加算される。

「投げ銭」によって特定の従業員に応援メッセージとチップを送ることができる

 もう一つの「キッチンディスプレイ」はキッチンで今、どのメニューをつくると効率的かをAIが示してくれるというサービス。これまではキッチンの従業員が入ってきた注文に対し、調理の順番を変えるというアナログの対応をしていたが、これをAIが行ってくれることで、作業の効率的が図れる。

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