連載:少子化ニッポンに必要な本物の「性」の知識

古今東西、陰茎の大きさとその形状には男女問わず関心が高いが、日本で巨根の代表者といえば奈良時代の僧侶、道鏡だろう

 世界では巨大な男性器を信仰している地域が数多くある。

 男根信仰とは古代より男性器が多産・豊穣・開運をもたらす呪力を宿すものとして崇拝されてきたもので、日本では古くから金精神と称され、広義では男根の形をした御神体を祀った神全般をあらわすこともある。

 男根の形をした御神体を祀った道祖神(塞の神)と混同されることが多いが基本的に道祖神と金精神は異なる神である。

 古来、男性器は魔除けの呪具であり、生命の源、あらゆる活動の原動力とされ、信仰の対象となっていった。

 そのため、より大きく、より逞しいことが男性にとって、その優位性を示すものとされ、格式の一つと捉えられる傾向がある。

 巨根とは他人よりも群を抜いて尨大で立派、という相対的な観念である。

 男性ならば誰しも巨大な陰茎に対する憧憬を抱くもので、そうした素懐を巨根願望という。

「陰茎が大きい方が男らしく女性が喜ぶ」だとか「子供なみに男性器が小さければ、力のない男と見なされて情けない」という妄想を抱く男性も多いはずだ。

 では、巨根とはどのような水準を指すのか。

 陰茎の大きさは、身長などの割合からみた比率、大きさの実測によるものなど尺度はまちまちなため、具体的にこれが巨根だと定義するのは難しい。

 また、陰茎を組成する要素は逸物の長さだけでない。

 形状も重要な一端であり、その容体は実に多彩だ。中央部分が太いツチノコ型、根が太く尖端に向かって細くなるトマホーク型、亀頭冠が原爆雲のような形の松茸型など様々なバリエーションがある。