写真:アフロ

「日建設計」という会社は、一般の人にはほとんど知られていないだろう。同社は、建築設計分野では世界最大級の設計会社だ。書籍『誰も知らない日建設計』を執筆した元建築雑誌記者の宮沢洋氏が、同社のユニークさを4回にわたり読み解く。(JBpress)

「東京タワー」「東京ドーム」「東京スカイツリー」。日本人であればまず知らない人はいないだろうと思われるこの3つの建築。その共通項は何か──。そう問われたら、名門大学のクイズ王でも即答するのは難しいのではないか。

 これら3つに共通するのは、「日建設計」という会社が、設計の中心になったということである。

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 新しい順に言うと、「東京スカイツリー」は2012年完成で、設計が日建設計、施工(建設工事)が大林組だ。設計は日建設計の現会長である亀井忠夫氏がリーダーとなってまとめた。

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 スカイツリーは高さ634m。細長い敷地形状のため、下部は最も構造的に有利に働く三角形とした。一方、上部の展望台では全方位を均等に眺望できるのが円形であるため、足元の三角形から徐々に円形に変わっていく形となった(上記の写真参照)。外観の特徴的なラインは、日本の伝統建築の「そり」や「むくり」を連想させる。

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