(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年11月9日付)

中国は外国との間に「壁」を作ることが好きな国なのかもしれない(写真は万里の長城)

 COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)に招待された最も重要なゲストは姿を現さなかった。

 中国の国家主席として、習近平氏は米国と欧州連合(EU)の合計をも上回る量の二酸化炭素を排出している国を率いている。

 ところが世界各国の指導者とは異なり、首脳級の会合で演説を行うことはなかった。500語にも満たない声明文を会議のウエブサイトに投稿しただけだった。

 会議に対するこのそっけない態度は、「中華」と言うよりはむしろ「中指」を想起させた。

 だが、習氏がCOP26の開催地である英国のグラスゴーに――あるいは、その前にローマで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に――出向くのを拒んだことは、国家的な自主隔離という大きな行動パターンの一環だ。

厳しい国境管理が国際的なビジネスに影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受け、中国は世界で最も厳しい部類に入る国境管理・検疫システムを導入した。

 中国に入国する人は、外国人であろうと中国の市民であろうと、最短で2週間の厳格な隔離を強いられる。指導者層が暮らす北京を訪れるのであれば、追加の管理も適用される。

 このシステムのため、外国人が数カ月間の長期滞在を伴わずに中国を訪れることは事実上不可能になっており、中国国民が外国に出かけることもほとんどできなくなっている。

 習氏自身も、ほぼ2年間出国していない。

 最後に直に対面した外国の指導者はパキスタンの大統領で、2020年3月に北京で行われた会談でのことだった。

 近く予定されている米国のジョー・バイデン大統領との首脳会談はオンライン形式で行われる。