10月31日に投票が行われた衆議院選挙の開票の行方を見守る甘利明自民党幹事長(当時)(写真:ロイター/アフロ)

(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)

 国会議員には種類があって、あからさまに区別されていることが、ここまで公然とまかり通るとは思いもよらなかった。

 自民党の甘利明前幹事長が辞任した件だ。

比例復活していても「小選挙で敗北」なら幹事長辞任は当たり前の空気

 10月31日に行われた衆議院選挙で、甘利氏は小選挙区の神奈川13区で落選、比例で復活当選した。現職の自民党幹事長が小選挙区で敗れるのは、小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降ではじめてだった。この結果を受けて甘利氏は辞任の意向を岸田文雄首相に伝え、茂木敏充前外相が幹事長に就いた。

 甘利氏はこの事情について、ツイッターにこう書き込んでいる。

「小選挙区で敗れました。いかなる状況下であろうと跳ね返すことの出来なかった自身の不明を恥じ幹事長を辞任致しました」(原文ママ)

 これをみると小選挙区で敗れることは、比例で復活当選したとしても“恥”のようだ。