(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年11月2日付)

この2人の対立は西側の国々にとって好ましいことではない(11月1日グラスゴーのCOP26で、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 今週は本来、ボリス・ジョンソン英首相が気候変動と戦うよう世界を鼓舞する週になるはずだった。

 だが、同氏は魚をめぐるフランスとの激論に気を取られながら、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を迎えることになった。

 英国とフランスの激しい論争と対抗意識は次第に深刻な国際問題になりつつある。

 6月の主要7カ国(G7)サミットは、両国間の別の争いを背景にして開かれた。その時は、北アイルランドをめぐる論争だった。

根底にある問題はブレグジット

 両国の間で生じる些細な意見対立はことごとく、脅し文句と侮辱の応酬に発展するように見える。根底にある問題は魚でもなければ、北アイルランドでもない。

 問題はブレグジット(英国による欧州連合=EU=離脱)だ。

 平たく言えば、ジョンソン氏はブレグジットを成功させる必要があり、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は失敗してもらう必要があるのだ。

 ジャン・カステックス仏首相が欧州委員会に宛てて書いた、リークされた書簡は、EUを去るコストが残るコストより大きいことを欧州の世論に対してはっきり示すことが重要だと示唆していた。

 英国は書簡に飛びつき、フランス政府がEUを離脱したことで英国を罰しようとしている証拠だと騒ぎ立てた。

 一方のフランスは、それは曲解だと主張している。

 この書簡に可能な限り悪い光を当てようとする英政府の熱意は、多くを物語る。