(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年10月29日)

広東省深圳市にある恒大集団の本社(写真:ロイター/アフロ)

 中国の政策立案者たちが経済について考える時、主な目標の一つになるのは、1990年代に日本で起きた事態を回避することだ。

 日本の1990年代と言えば、高度成長の時代の過剰が積み上がって目を見張る規模の資産バブルの崩壊に至った時代だ。

 当時の日本政府の高官だった人々は2000年代から2010年代にかけて、中国政府の要人たちの訪問を受けたという。

 何がいけなかったのか、どうすれば同様な運命を回避できる可能性があるか、中国政府は秘密を探ろうとしていたのだ。

 中国自身、ここ数十年にわたってケタ外れな住宅ブームを謳歌している。

 何億戸もの住宅が建てられて住宅所有者の国になると同時に、1平方メートル当たりの住宅価格が4倍以上に跳ね上がった。

 大手不動産デベロッパーの恒大集団が先日から窮地に陥り、社債の利払いに四苦八苦している様子は、このブームが破裂しかねないことを物語っている。

 しかし、1990年の日本と現在の中国との間にはかなり大きな違いがあり、その結末も異なってくる可能性がある。

 加えて、中国政府には日本の経験から最も大きな教訓を引き出す時間がまだ残されている。