(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年10月12日付)

南シナ海に展開している米空母カールビンソンから飛び立つF/A-18F戦闘機(10月7日、米海軍のサイトより)

 米国は台湾をめぐる戦争に乗り出すだろうか――。

 この問いは数十年にわたって、かなり抽象的に思えた。それが今、切迫感を帯びてきている。

 中国の空軍は今月、わずか4日間で150機前後のジェット機を台湾の防空識別圏(ADIZ)に送り込んだ。

 これは記録的な数の侵入で、台湾空軍が繰り返し、戦闘機を緊急発進(スクランブル)させることになった。

 そして同じ期間に、米国、日本、英国など6カ国が西太平洋で過去数十年間で最大規模となる海軍の軍事演習を実施した。

 この軍事的な威嚇行為は、米中双方の挑戦的なレトリックを伴った。

 中国の習近平国家主席は先週末の演説で、「祖国の完全統一の歴史的任務は必ず果たされる」と誓った。習氏は、好ましいのは、平和的な手段による台湾統一だと強調した。

 だが、台湾による自発的な降伏はまず考えられないため、残るのは武力行使だ。

 一方、米中央情報局(CIA)は中国のことを「我々が21世紀に直面する最も重要な地政学的脅威」と呼び、「中国ミッションセンター(CMC)」という新組織の創設を発表したばかりだ。

 組織の喫緊の課題は、台湾に対する中国政府の意図を評価することになる。

 台湾の邱国正・国防部長(国防相)は先週、中国は2025年までに台湾を侵略できるようになると警告し、現在の状況を「過去40年間で最も危険」と描写した。