取材会でプレゼンする本田技術研究所の大津啓司社長(筆者撮影、以下同)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 2021年9月28日、ホンダは報道関係者を埼玉県和光市にあるホンダの研究開発拠点に招き、「Honda新領域ビジョン・テクノロジー取材会」を開催した。

 ホンダの三部敏宏社長は4月の社長就任会見の中で、“次の夢”として「モビリティを3次元、4次元に拡大していくべく、空、海洋、宇宙、そしてロボットなどの研究を進めている」と説明している。そうした「将来に向けた仕込み」(三部社長)の具体例を公開した形だ。

 ホンダは現在取り組んでいる技術開発の内容を3点紹介した。

 1点目は、一般的に「空飛ぶクルマ」と呼ばれることが多い、垂直離着陸が可能な小型航空機「Honda eVTOL」(electrical Vertical Take Off and Landing:電動垂直離着陸機)である。2点目が、遠隔操作によって人の分身となる「アバターロボット」。そして3点目が、月面での循環型再生エネルギーシステム、遠隔操作ロボット、再使用型小型ロケットなど、宇宙領域での技術開発だ。

Honda eVTOLの模型と大津社長