今回は、受託型の開発、技術者の派遣、専門技術のサービス、技術コンサルティングなど、売上責任のある職場のマネジメントを取り上げる。明確にプロフィットセンターと位置付けられ、一人月単価(一人当たり1カ月の価格)が100万や300万円などと設定されている職場を想定している。

 このような職場は、R&D投資として捉えられる研究開発職場とは異なり、しかるべき売り上げを上げる責任がある。売上達成責任がマネジャーにも個人にもあるため、人を遊ばせておくわけにはいかず、何か売り上げにつながる仕事があれば、少々経験量が少なくても人をアサインすることがある。

 難しい局面に投入されることで人が伸びるものである。経験知が少ないからといって、チャレンジさせずにいると、なかなか人は育たない。周りがサポートしつつ、本人が主体的に、より高い売り上げの仕事にチャレンジするのはとても重要なことだと考える。自分の働きで直接的に売り上げが上がるため、事業貢献を実感できる構図である。

 しかし、このような組織で見られる問題の一つとして、売り上げ以外の要素が考慮されにくくなるということがある。本コラムの第4回でも述べたが、このような職場では人工管理をすることがマネジャーの仕事だと勘違いする人が出てくる。