(英フィナンシャル・タイムズ紙 2021年9月24日付)

中国の広東省深圳市にある恒大グループの本社(9月26日撮影、写真:ロイター/アフロ)

 中国恒大集団をめぐる一連の出来事は、2008年の投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻に似ているのだろうか。

 それとも、同じ年に行われた保険大手AIGの救済の方が似ているだろうか。

 いや、1998年のロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の救済だろうか――。

 中国第2位の不動産グループである恒大が、3000億ドル超の債務(米ドル建ての社債200億ドルを含む)と熱気を失いつつある国内不動産市場という重荷に苦しむ様子を見て、投資家たちはそんな疑問を口にしている。

 だが筆者に言わせれば、考慮すべき過去の事例はほかにもある。

 今から24年前、貸出資産750億ドルの10%以上が不良債権となった時に経営破綻した日本の北海道拓殖銀行のケースである。

 一見すると、これは奇妙な比較に思えるかもしれない。恒大は不動産会社であり、銀行ではない。

 しかしこの2社は、1997年に日本にはびこり、今日では中国金融界を脅かしている1つの疑問によって結びついている。

 資産価値を支える信頼の柱石は一体何なのか、政府の支援なのか、それとも投資家が独立した立場で行う決算書の精査なのか、そうした柱石は機能するのか――という疑問だ。